複合機をリースにするなら料率を把握しないと業者の思惑通りになる件
コピー機や複合機は数十万する高価な機器ですが、これから入れ替えや新たに購入を検討している事業者様が間違った買い方をしないよう、OA機器営業として10数年働いている私が間違いのない購入方法をお伝えします。
コピー機や複合機の相場
昔はコピーしかできなかったのでコピー機と呼んでいましたが、今はファクスやプリンタとしても使用できるため複合機と呼ばれています。業界ではどちらの呼び方でも問題ありませんが通ならMFP(エムエフピー)なんて呼ぶと業者が構えるかもしれません。
MFP=マルチファンクションプリンタの略
今回は以下複合機と呼びます。
さて、複合機の相場ですが、数十万~百数万、数百万なんて機器もあります。
この価格差は「速度」で決まると言ってよいでしょう。
A4横が1分あたりに出力される枚数=速度です。
これが速ければ速いほど高くなってきます。
業界では安い複合機の速度は15枚/分、高い複合機は60枚/分以上とされています。
さて、この速度ですが何を基準に決めているか知らない方がほとんどではないでしょうか。
ただ単に速いのが好みだからというわけではありません。1ヶ月にどのくらいの量の出力があるのか?これで決まるのです。
1ヶ月に数千枚の出力があるなら40枚/分以上の機器、数十枚~500枚程度なら15枚/分。
同業者は必ず「毎月どのくらいの出力物がありますか?」って質問をします。業界ではマストな質問なんです。
出力枚数が多い場合、これに耐えきれるエンジンが必要になります。これを知らずに出力が多いのに安いモデルを販売してしまうと故障が多発しクレームになるからです。
また、この逆で出力枚数を聞かずに売ってくる業者はまちがいなく悪徳です。利用状況を把握せずに適当な機器を売りつけるわけですから。お客様に向き合っていないことになりますよね。
というわけで、話が遠回りしてしまいましたが、複合機の相場は以下の通りです。
速度(分/枚) | 本体価格 | |
カラー | モノクロ | |
15枚/分 | 50~80万 | 30~60万 |
20枚/分 | 80~120万 | 50~80万 |
30枚/分 | 70~140万 | 60~100万 |
40枚/分 | 100~150万 | 80~120万 |
50枚/分 | 100~180万 | 90~150万 |
※これはあくまで目安ですので参考までにしてください。
数社相見積もりを取れば安くなると思いますが、販売する側からすると永くお付き合いしたくないお客様になってしまいますので過度な値引き交渉はオススメしません。
なので、最初から安いところで購入することオススメします。
リースにするか買取にするかはお客様次第
リースにすると経費計上できるので減価償却しなくて済みます。買取はその逆で減価償却する必要があります。
また、リースにすると動産保険が適用されるのでもしものときに保険が効きます。
ということでリースのほうが経営する側からみても多少多く払うことになりますがメリットは多いのです。
で、リース契約の落とし穴をお伝えします。
「5年リースで月額税別20,000円になります!」ということは20,000円✕60ヶ月=総額1,200,000円の支払い、というわけではありません。これが安いか高いかはリースの仕組みを知っていないと理解し難いのです。
業者が持ってくる見積のマジック
リース金額を決定するのは本体価格になります。本体1,000,000円でも月額20,000円でリースを組むことは可能です。本体1,200,0000円でも20,000円で組むことは可能です。
業者は慈善事業ではありませんから、より高く売りたいってもんです。
リースを組むときは「料率」がキーになります。
OA機器の料率は1.9%前後です(2020年1月現在)。
月額20,000円なら料率1.9%で本体価格が1,052,600円となります。
本体価格が1,000,000円なら料率1.9%で月額19,000円です。
本体価格が1,200,000円なら料率1.9%で月額22,800円です。
なにが言いたいかというと、リース月額○○円という謳い文句は損をしている可能性があるということです。
リースの料率と本体価格をしっかり把握した上でリース月額を決めないと損をしてしまいます。
なお、料率は交渉すると下がることがありますので、必ず交渉してみてください。
料率が下がらない場合は本体価格を下げてもらいましょう。
複合機の購入はネットが安いですね
こんなことを言ってしまうと業界から締め出されてしまいますが、複合機のことを理解していればネットで購入しても問題ありません。※ただし中古はこれに限りません。
ネットで複合機を検討する利点は、「商談に無駄な時間がいらない」「金額やカウンター料金が明確」「人件費がかかっていないので訪問する業者より安い」この3点です。
訪問販売のような温かみは薄くなりますが、この業界では複合機のネット販売が遅れているのが現状です。
もし、今現在、複合機の商談をされているようでしたら、複合機専門のwebサイトをご覧になってみてください。
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